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沖縄の家のシンボル「シーサー」って何者?その歴史や種類・置き方をご紹介
笑顔のシーサーの写真

■そもそもシーサーって?


沖縄の家に欠かせないシーサー。
中国から伝わった伝説の神獣「獅子」を沖縄の人たちはシーサーと呼び、災難を防ぎ悪霊を家に招かないための魔除け・守護神として大切に扱ってきました。

ファインライフ・カンパニー 建築例 門に飾られたシーサー

■シーサーの歴史

獅子(シーサー)は元を辿ればライオンのことですが、ライオンの存在がシルクロードを渡って中国に伝わった当時、中国にライオンは存在していませんでした。ライオンの実物を見たことがない人々が想像を膨らませながら「獅子」という伝説の生き物を創り出し、それが沖縄へ伝わり、現在のシーサーの姿になったと言われています。

沖縄ではじめてシーサーが作られたのは今から300年以上前。
琉球王国の歴史書『球陽(きゅうよう)』にその記録が残っています。

1689年ごろ、たびたび起こる火災の被害に悩まされていた富盛(ともり)地区の人々は、風水師に相談しました。すると「ヒーザン(=よくない地形という意味の沖縄の言葉)である八重瀬岳に向かってシーサーを置きなさい」と助言されたのです。
村の人たちは風水師に言われた通りにシーサーを置きました。すると不思議なことに、火事がぴたりとやんだそうです。

このシーサーは現在、沖縄県指定有形民俗文化財となって今もなお富盛の地に残り、沖縄の人々に愛され続けています。

富盛の石彫大獅子
富盛の人々を見守る最古のシーサー(「富盛の石彫大獅子」)

■シーサーの置き方

現代ではシーサーは2体を対にして置くのが一般的。
正面から見て右側、口が開いているのが雄。左側の口が閉じているのが雌です。

口を開けている雄は沖縄の悪霊「マジムン」に噛みつき追い払い、口を閉じている雌は今ある幸せを逃さないと言われています。

マジムンは人の通る道を歩くと考えられているため、シーサーもなるべく人が通る方へ向けて置くと良いでしょう。

玄関に置く場合は、家に邪気を入れないという意味で玄関の中ではなく外にシーサーを置いてあげると良いでしょう。その際、置く場所を綺麗にすることも忘れずに。

ファインライフ・カンパニーの施工例 門に構える雌雄のシーサー

■シーサーの種類

シーサーは、設置する場所と用途によっていくつかの種類に分けられます。

●宮獅子
琉球王朝の時代、身分の高い人の墓や寺院、城郭に獅子が刻まれる文化が発生しました。このような獅子を宮獅子と呼びます。宮獅子は、魔除けではなく権威の象徴としての色合いが強かったと言われています。

首里城


●村落獅子(そんらくしし)
村落獅子は、悪霊の侵入や災害を防ぐ目的で村の入口や高台などに設置された人々の守り神です。

先ほどご紹介した富盛のシーサーも村落獅子の一種。
村落獅子は、そのほとんどが集落の入口やヒーザンに向かって設置されています。
この村落獅子が、王族から民間へシーサーを広める土台となったと言われています。

村落獅子の写真


●家獅子
沖縄で村落獅子などが広まっていく中、シーサーが家の屋根に乗るようになったのは明治時代に入ってからです。

明治時代、それまで民間に許されていなかった瓦葺きの屋根が許されるようになり、その流れでシーサーも家々の屋根に乗りはじめました。
屋根瓦職人が余った瓦と漆喰でシーサーを手作りし、屋根の上に載せるようになったのです。

家獅子を大きく分けると、屋根獅子・屋敷獅子・門獅子の3種類になります。

・屋根獅子
屋根の上に設置されたシーサー。瓦葺きの屋根職人たちが、余った瓦と漆喰でシーサーを作ったのが始まりとされています。

・屋敷獅子
屋敷の敷地内に置かれたシーサー。かつてはその多くが石造りのもので、「石敢當(いしがんとう)」の役割で置かれたものも少なくありませんでした。
*石敢當(いしがんとう):マジムン避けとして建てられた石碑

・門獅子
家の門柱に置かれたシーサー。雌雄2体を対で置くことが主流です。

■シーサーの素材

昔は石や漆喰、土から作られることが多かったシーサー。現在では時代の流れに沿ってコンクリートや金属でできたものも登場し、多様化していますが、今回は沖縄でよく見られる素材をいくつかご紹介します。


●漆喰で作られたシーサー
砕いた赤瓦で作った骨組みに、漆喰で肉付けした上で色付けし、乾燥させたシーサー。その家の歴史を見守る存在として明治時代から愛されてきた歴史のあるタイプです。

あらやち(赤焼 / 荒焼で作られたシーサー
屋根の上によく見られる赤いシーサーは「あらやち(赤焼 / 荒焼)」と呼ばれる、釉薬をかけずに焼成された焼き物です。
釉薬がかけられていないため雨風を吸い込み、年月を経るごとに味のある風貌へと変わっていく味わいがあります。

●釉薬/上焼をかけて仕上げたシーサー
あらやちなどで作られた素焼きのシーサーに釉薬(うわぐすり)をかけて焼き上げたもの。
ガラス質の膜である釉薬は、水や汚れからシーサーを守ってくれるため、簡単なお手入れで長い期間その美しい姿を保ってくれます。

陶器製のシーサー

■おわりに : ファインライフ・カンパニーのお家にもシーサーを設置しています!

今回はシーサーの意味やその歴史、種類についてご紹介しました。
ファインライフ・カンパニーの沖縄のお客様のお家にももちろん様々なシーサーが置かれ、お住まいの皆様を”マジムン”からお守りしています。

弊社で建築される際にはぜひ理想のシーサー像をお聞かせください。ご希望に沿ったシーサーを設置させていただきます。

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